万葉集から知る包装資材の歴史
「包装資材」の歴史 「2」
古来から主に食品の包装については、天然素材の性質を利用した包装が行われてきました。例えば、万葉集には、
「家にあれば 筍(け)に盛る飯を 草枕旅にしあれば 椎の葉に盛る」(有馬皇子)
の歌があります。7世紀ごろ、旅先の食事では椎の葉が食器として使用されていたんですね。
今でも和菓子や押し寿司では、植物の葉で包むことがあります。「カシワの葉」や「サクラの葉」で餅を包むと香りがよくなります。
また、笹の葉で包んだお米は腐りにくいとされており、現在でも石川県では、サケ、マスなどを押し寿司にして笹で包んだ「笹寿司」が有名です。また、駅弁などでも有名な、富山県の「ます寿司」にも、ササが使われていますよね。
笹寿司に使われる笹はクマザサ(隈笹)が一般的ですが、このクマザサは古くから食品を包んだり、寿司や刺身の添え物としても利用されてきました。
現在は緑色のプラスチック製の葉形のシート(「バラン」と呼ばれます)も、もともとはクマザサを使うのが一般的でした。現在でも、このバランの形状は「ささ切り」と呼ばれています。
石川県のほか、奈良県や和歌山県では「柿の葉寿司」が郷土料理として知られています。サバやサケの切り身と寿司飯を合わせて柿の葉で包んでいます。
岐阜県などでは、「朴葉寿司」が作られています。朴の葉の殺菌効果と、酢飯の日持ちを持ち合わせ、携帯に便利な朴葉寿司が広まったとされています。
また、朴の葉はきな粉をかけたご飯や赤飯を包んだ「朴葉めし」でも知られています。田畑仕事のお昼ご飯として持ち運びされるのに丁度良かったようです。
笹の葉、柿の葉、朴の葉などは、植物の持つ防腐性に着目した天然の包装資材として使用されていたんですね。
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