水冷でクリーンなIPP袋

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コストの問題を解決した廉価版クリーンルーム用ポリ袋

今回は、広島県のO社様の事例をご紹介します。

O社様は、あるプラスチック製品を製造していらっしゃいますが、ある製品が電機製品に使用されることになりました。もともとO社様は電機製品への販路がありませんでしたので、地道な営業活動が実ったと、社内は大変活気づきました。

早速初回生産を行い、製品を納入したところ、ユーザー様から新たな要求が発生しました。

要望されたこととは、包装資材の改善でした。

電機製品に採用されることになったプラスチック製品ですが、組み立てはクリーンルームで行なわれるらしいのです。O社様の製品もクリーンルーム内に持ち込まれるため、包装資材にもクリーンな性能が要求されるということでした。

そこで、困った担当者様から当社にご相談いただくことになったわけです。

当初は、クリーンルーム用の製品をご紹介させていただきましたが、従来品と比べ、コストが高くなってしまうということで、採用しづらい状況だというご返事を頂きました。

そこで、当社は、IPP袋をご提案させていただきました。

フィルムを冷やす工程で水を使用するIPPの採用

IPP袋というのは、インフレーション成型で製造するボトムシールタイプの袋で、一般的な袋よりも透明度に優れるポリプロピレンを素材としています。このIPP袋は、粒状の原料を高温で液状にし、それをフィルム状に薄く延ばして、それから一気に冷やして成型します。

この「冷やす」という工程では、ポリプロピレン特有の方法として、「水」を使います。

一般的なポリエチレン袋は、室温の空気で冷やして成型していますが、ポリプロピレンは水で冷やして成型するのです。

この工程のおかげで、フィルム成型の冷やす工程では、水でフィルム表面を洗い流しているような効果が得られるというわけです。この点から、IPPフィルムは製造方法の効果から、「そもそもクリーンである」という特徴が得られます。

今回はそうした特徴を活かせないかと考え、ご提案させていただきました。

もともと、IPP袋はクリーンルーム用という用途ではありませんでしたが、クリーン性能が高いということで、O社様のユーザー様にも高い評価を頂くことができました。

その結果、O社様の製品はその後も電機関係の販路を広げることとなり、今では成功事業として、力強く伸びていらっしゃるということです。

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