古代~近代・包装資材の歴史
「包装資材」の歴史
今では各種包装資材は、「あって当たり前」の存在となっていますが、歴史的にみると、包装するためには様々な苦労があったと想像されます。
古くは、動物の胃袋や内臓を転用したり、皮を縫い合わせて袋状に加工しました。恐らくはそうした原始的な「包装資材」は、当時は非常に高価であったと想像されます。
また穀物を栽培するようになると、甕や瓶のような土器が利用されました。しかし、こうした土器はひっくり返ると中身が外に出てしまいますから、取り扱いには苦労したことでしょう。
食品の保存や持ち運びにも様々な工夫がされました。ひょうたん、竹の筒、笹や竹、椰子の皮などの植物をうまく利用したり、アワビなどの巻貝やハマグリなどの二枚貝の貝類などは現在の包装資材の原型といえるかもしれません。
歴史上、様々な包装資材が開発されました。
「麻(あさ)」
麻の布地は紀元前4000年には中国に存在したらしいので、この頃には麻の布が包装用に使用されていた可能性があります。
「藁(わら)」
稲作が始まった縄文時代の頃には、藁を包装資材として使用していたのではないでしょうか。奈良時代には藁を編んだ「筵(むしろ)」が使用されています。
「紐(ひも)」「縄(なわ)」
奈良時代の歴史書である「日本書紀」には「注連縄(しめなわ)」についての表記がありますから、すでに紐や縄が使用されていたのでしょう。
「樽(たる)」
樽は3世紀より前にガリア人が使用していました。日本では14世紀ごろ、鎌倉時代後半から使われていたようです。
「桶(おけ)」
桶は平安時代以降、陶磁器や漆器に変わる存在として使用されるようになりました。
「風呂敷(ふろしき)」
「風呂敷(ふろしき)」の起源となるようなものは、正倉院にそれらしきものがあり、平安時代以降は衣類を包んで頭に載せて持ち運ぶという使われ方をしていたようです。江戸時代に「銭湯」が普及することにより、「風呂敷」の名が流通しました。
「紙袋(かみふくろ)」
日本のクラフト紙袋の歴史としては、1923年にアメリカ・ベーツ社が作成した紙袋を見本に、林商会(現・王子製紙)が試作したものからスタートしました。国内で最初に使用された用途は「セメント用」でした。
「ビニール袋」
現在、一般的に「ビニール袋」と呼ばれて使用されいる様々な合成樹脂製の袋は、1970年代から使用されるようになりました。
それまでは、紙袋に持ち手がついたものが汎用されていましたが、安価で強度もあるため、紙袋に変わり広く使用されるようになりました。