ポリプロピレン(PP)とは?
ポリプロピレン(PP)とは?
原油の一留分であるナフサ(粗製ガソリン)を分解精製して得られるプロピレンは、二重結合を持つ反応性の高いモノマーで、
エチレンが重合してポリエチレンとなるのと同様に、重合してポリプロピレンとなります。プロピレンモノマーを三塩化チタンとアルキルアルミニウムを主体とする媒体で重合すると、
立体規則性の高いポリマーが得られます、ポリプロピレンの重合法としては生成ポリマーが希釈剤に固体粒子として分散するスラリー重合法が一般的に採用されています。
…ということですが、わかりにくいので簡単にまとめてみました。
ポリプロピレン(PP)の特徴
ポリプロピレンフィルムの特徴としては、透明性の高さ、光沢の強さが挙げられます。フィルム製品としては印刷インクの発色も良く、小売する商品の包装などに汎用されています。
また、防湿能力が非常に強く、ポリエチレンよりも高い防湿効果が得られますが、酸素透過度などのバリヤ性能はさほど良くないため、バリヤ性能を高めるために、コーティングやラミネートされて使用されることも多いフィルムです。
強度など、フィルムの機械的性質については、延伸方法などの製膜方法によって性質が変わります。ポリプロピレンは製膜方法別に、大きく「無延伸フィルム」と「延伸フィルム」に分かれます。
その製法によって、PPは3種類に分かれます。
- IPP:インフレーションポリプロピレン
(無延伸ポリプロピレン・サーキュラーダイ成形) - OPP:オリエンテッドポリプロピレン
(延伸ポリプロピレン) - CPP:キャストポリプロピレン
(無延伸ポリプロピレン・Tダイ成形))
それぞれ、製法の頭文字を取り”O”PP、”C”PP、”I”PP、と呼ばれます。
IPP、OPP、CPPとは?
IPP
IPPはPEフィルムとは異なり、水で冷却します。(PEフィルムは空気で冷却します) 透明性が良く、底シールだけで袋ができるので便利ですが、厚さの精度が出にくく、直接水で冷却するため、乾燥に時間がかかるため生産速度が上がらないという欠点もあります。
OPP
延伸フィルムであるOPPは、押し出し機でダイより出た原反シートを冷却し、その後延伸装置で熱延伸して製造します。ポリプロピレンの延伸フィルムにはタテヨコ二方向に延伸する二軸延伸フィルムと、タテまたはヨコ方向のみ一軸延伸するものがあるが、流通しているものはほとんど二軸延伸フィルムです。
CPP
Tダイ無延伸フィルムであるCPPは、内部に水を循環する冷却ロールにダイより出た溶融膜を直接触れさせて冷却し、フィルムを得る方法で製造されます。IPPと比べ、広幅かつ厚さが均一のフィルムが得られるので生産性が高い利点があります。